<要約>
(1)総務省回答
雇用契約書の作成は行政書士法第1条の2第1項に定める権利義務に関する書類の作成に該当するものであり、社会保険労務士法第2条第1項に規定されていないことから、社会保険労務士は業として行うことはできない。
(2)厚労省回答
社会保険労務士法第2条第1項第1号及び2号に基づく社会保険労務士の書類等の作成の事務に、雇用契約書の作成は含まれていない。一方、適正な雇用契約書がどのようなものであるかについて示すなどすることは、社会保険労務士法第2条第1項第3号業務に該当するため、社会保険労務士が行うことができる。
内閣府 規制改革会議 平成30年度回答
<受付番号>300724001
<内閣府での回答取りまとめ日>平成30年2月28日
<提案事項>雇用契約書作成業務の社会保険労務士への開放
<所管省庁の検討結果>
【総務省】
行政書士法においては、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することは、直接一般私人の社会生活に重要な影響を及ぼすことから、行政書士となるために必要な資格を定め、これを業として行うことを行政書士の独占業務としています。
雇用契約書の作成は行政書士法第1条の2第1項に定める権利義務に関する書類の作成に該当するものであり、社会保険労務士法第2条第1項に規定されていないことから、行政書士法第19条により、行政書士又は行政書士法人でない者は、当該業務を業として行うことはできないことになります。
【厚生労働省】
社会保険労務士法第2条第1項第1号及び2号に基づく社会保険労務士の書類等の作成の事務に、雇用契約書の作成は含まれておりませんが、事業主等が雇用契約書等を作成するに当たって、社会保険労務士として、労働基準法や労働契約法に係る知見を活用して、事業主等に対して相談に応じ指導をすることを通し、適正な雇用契約書 がどのようなものであるかについて示すなどすることは、社会保険労務士法第2条第1 項第3号業務に該当するため、社会保険労務士が行うことができます。
出典資料へのリンク 30_kousei.pdf (cao.go.jp)
<参考>
就業規則の作成は社会保険労務士と行政書士のいずれの業務かー「士業の業務独占重複問題」の一事例
「自治実務セミナーNo613・615(2013 年 7 月号・9 月号)」